2016年8月23日火曜日

我が国にも「食料廃棄禁止法」を!


国連食糧農業機関(FAO)によると、毎年世界では、生産、加工された食糧の約三分の一に当たる13億トンもの食料が工場や家庭やレストランで廃棄されていると言う。
 そんな状況を憂い、今年の二月、フランスでは、戦争で悲惨な食糧難を経験した市議の発議から「食料廃棄禁止法」なる画期的な法律がスタートし、世界的なニュースとなっている。
 その法律によると、延べ床面積400平方メートル以上の大型スーパーを対象に売れ残りの食料の廃棄を禁止し、その食料を貧困家庭やホームレス等の生活困窮者に配給する活動を行う団体への寄付を義務付けている。違反者には、3750ユーロ(約48万円)の罰金が科せられると言う厳しい法律である。
 かつて、日本では、工場や家庭から廃棄される大量のゴミは、深刻な社会問題であった。しかし、市民活動や行政からの指導があり、今では、分別や収集も見事に改善され、どの地域に於いても市民の間に驚く程しっかりとしたゴミ問題への意識が定着した。掃除によってモノを大切にするという心が芽生えて、無駄なものは買わないようにすると言う消費意識が育ったのだ。
 家庭菜園や農業に憧れて自分で作物を作りたいという人が増えているが、とてもいいことだと思う。食べ物を作れば、それがどれほど大変なことかが分かる。当然、食べ物を無駄にはしないという意識も芽生える。ぜひ日本でもフランスに習いこの法律を一刻も早く成立すべきだ。日本人が変わり社会が変わる法律にきっとなるはずだ。勇気ある政治家の出現を心待ちにしたい。

2016年7月30日土曜日

「バーチャル世界」始まりの予感

 戦後間もない子ども時代、心躍らせた漫画と言えば、「地雷也(じらいや)」という忍者ものや中東の物語「シンドバットの冒険」だった。
 どちらも変身もので、地雷也は、窮地に陥った時に呪文を唱えると立ちどころに自分が変身してどんな難問も解決出来るというものであり、シンドバットの冒険は、困った時にアラジンの魔法のランプを手でこすると、大男が目の前に現れて、どんな難題も解決してくれるというものだった。
 人生と言う未知の世界に挑む子どもにとって、この漫画に描かれた夢物語は、不安を一掃してくれる何よりも心強い助っ人だったように思う。
 この数日来、iPhoneで遊ぶ「ポケモンGO」が、世界的なニュースになっている。GPSで写し出された現実世界にあたかもそれが実際に存在するかのように登場するポケットモンスターは、不透明で危機一杯の現代社会では、昔我々が夢中になった忍者や大男の出現への期待とどこか通じるものがあるようにも思う。
 ただ、かつての漫画は、それはどこまでも紙の上の虚構の物語であり、読者はそれが虚構であることを十分に心得てそれを楽しみ、そこから得る元気を現実世界を生き抜くための力として活用していたように思う。
 しかし、ポケモンは、これとはかなり異なる目的を持つゲームである。そもそもこのゲームの発案者は、室内にこもりがちな現代人を外へ引っ張りだしたいと思ってこれを考えたと言われてるが、手に入れたいオモチャの怪物が、あたかも現実世界に出現したかのように錯覚させるこのゲームは、夢中になればなるほど人々の現実的な感性を失わせ、限りなく虚構の世界へと引きずり込む力を秘めているものでもある。その結果、想定外の事故や事件がすでに多く起きてもいるのだが、そうした現実以上に、これはかなりの危なさを秘めているゲームであるように思えるのだ。
 これまで人間は、現実世界をどうリアルに把握出来るかで様々な知識を発展させ、情報を手に入れることに努力して来た。それが社会を成長させるエンジンだった。しかし、近年パソコンの出現によって、そうした知識や情報が限りなく現実世界を動かすようになり、現実と虚構の世界との力関係がいよいよ反転する時代になって来た。虚実混沌の情報が現実社会を大きく動かす力を持つようになり、結果、ネットによるテロリズムが実際に拡大し、ロボット開発のための人工知能がやがて人間を支配するかも知れないという心配もまた、いよいよ現実のものとなりつつある。
 GPSで膨大な数の人間の行動を瞬時にコントロールし、虚構の世界に入り浸らせることで人間の現実感覚はいよいよ失われて行くに違いない。そんな悪循環をもたらす機能を秘めたポケモンの登場は、近い将来予想される虚実反転の世界の出現がいよいよ我々の日常生活で起こり始めたことを予感させている。

 



2016年7月22日金曜日

食による熱中症対策

 今年もまた身の危険を感じる暑い夏がやって来ました。熱中症対策には十分気をつけなければなりませんが、今日は、世間とは一味違う「食による熱中症対策」についてアドバイス致しましょう。
 一般的に熱中症と言えば、こまめに水分と塩分を摂る、危ないと思ったら涼しいところに行き身体を冷やす。立ちくらみや頭痛、しびれを感じたら即病院へ。というところだと思いますが、ここで忘れてはならないのは、そうならないための予防策、自分で出来る「食による熱中症対策」です。
 近年世間では、ごく普通の季節であっても、水分は出来るだけ多く摂ることをすすめられますが、それは、現代人の多くが、日常的に肉食過多、乳製品、油類、砂糖を含んだ菓子類などを大量に摂っていて、慢性的に水分を欲しがるカロリー過多の熱い身体になっていて、そのバランスのために水分をしっかりと摂れと言われているのです。
 もし、このような状態や体質で暑い夏に水分が足りないと、血液濃度が高まり、血流も悪くなって、いよいよ体温が上がり脱水症状になりやすく、それこそ危険な状態になってしまいます。
 これを予防するには、こうしたカロリー過多な食事を極力減らして、体温を上げない、身体に熱がこもらないあっさりした食事を心がけることが大切です。昔から、暑い夏には素麺や冷や奴を食べろと言われるようは、こうした暑い夏の食材は、身体の熱を取り、冷やしてくれる性質を持っているからです。
 旬の夏野菜、生でも食べられるキュウリやトマトや瓜、これらはスープにしても効果があります。また、ナスやジャガイモなども良いでしょう。また、果物やジュースも体温や血圧を下げる効果があります。日頃から乳製品の多い人の場合には、野菜ジュースであったり、体温を下げる効果がある香辛料たっぷりのカレーなどもおすすめです。
 日頃から関心があって実行可能な人は、この暑い季節にこそ、熱中症対策に効果のある穀物菜食やベジタリアンの食事を試してみるのがいいでしょう。熱中症は、同じような環境にあっても、誰もが必ずかかるものではありません。日頃の食習慣と心がけで状態や体質を改善すれば、かなりの予防が出来ることを憶えておくといいでしょう。
 

2016年7月15日金曜日

危機を知らせる最後通告か

 「抗生物質が効かない人間が増えている!」とメディアが伝えているが、これは、長年、あらゆる治療にこの薬を頼って来た現代医療とその当事者、薬に依存し続ける患者たちにとって、大変深刻で厄介な問題である。

 これを解決するには、より強い薬を開発するしかないと考えるだろうが、しかし、原因が大量の薬物摂取による多剤耐性菌によるものだとすると、今後このような薬による治療が続けば続くほど、薬では解決出来ない病気がどんどん増えることにもなる。

 こうした事態になった原因の多くは、現代人が薬を始めとする農薬や食品添加物等の化学物質を日々大量に摂り込んで来たことにある。本来、自然である命にとって受け入れ難いこうした薬物がどんどん体内に入って来ると、異物を排除するために働く免疫力や自然治癒力が必要以上に刺激されて、それらの機能を慢性的に亢進させてしまう結果、体内に、あらゆる化学物質に対する耐性菌が出来てしまうのだ。

 元来、東洋医学や代替となる自然療法では、病気の症状はどれもが本来自然である身体が異物や状態に対して正常となるように働く結果出てくる一種の好転反応だと考える。従って病気の症状は心身の危険を知らせる有り難いシグナルなのだから、根本的な原因を探し出し、二度とそうした症状が出ないようにすることが治療の基本だと考える。

 一方、現代医療の処方箋にはそうした視点が驚く程欠如している。原因がどうであれ、ひたすら症状を消すことが目的となっていて、自然な身体の有様を無視する結果、薬と治癒力との相反する機能がぶつかりあい、互いにエスカレートするいたちごっこになってしまっている。自然と人間とのいたちごっこだが、命を創造したのが人間ではなく大自然だと考えると、どう頑張ろうが人間の側に勝ち目が無いことは誰の眼にも明らかだ。

 抗生物質の効かなくなった人間の身体は、現代医療に対する自然からの警告であると同時に、限界にまで来てしまった現代人の命に対して「危機を知らせる最後通告」でもあるかも知れない。

  
  
 




2016年6月21日火曜日

「長寿の鍵は心の養生に有り」

 「人間の寿命は何歳か」については様々な異論があるが、人生の折り返し地点が還暦の60歳だとすると、その終わりが120歳と言う説もあながち根拠のないことではない。
 しかし、実際に120歳まで生きられる人は、世界広しと言えどもそうめったに居るものではない。実際に自分が還暦を過ぎて見ると、様々な衰えを実感するようになって、120歳どころか、80歳や90歳であっても、元気で長生きすることがいかに難しいかが分かって来る。
 孫が生まれ、たまたま生活を共にする様になった。そろそろ静かな生活をと願っていた矢先だったが孫中心の生活に巻き込まれ、忙しい子育てを再度味わう羽目になった。
 その孫を見ていると、子どもの成長の早さには本当にびっくりする。数日会わないだけでガラリと変わる。日々ぐんぐんと成長しているのだ。人は20歳を過ぎたら細胞分裂が終わり老化の道を辿ると言われるが、実際に還暦を過ぎて見ると、その老化の早さにも我ながらびっくりする。
 子どもは成長し大人は老いる、そのスピードはまったく同じ。妙に納得せざるを得ない気付きである。人生を元気で生き抜くには、死ぬまでピンピンコロリの「健康」が何にも増して欲しいことだが、コトはそう容易なことではない。食の健康管理は元より、運動、生活習慣、その他日々相当な努力が要る。
 日本では、還暦に赤いちゃんちゃんこ着る習慣があるが、それは、60歳が人生120歳の折り返し地点であり、還暦は、コヨミが還る「心の赤ちゃんの時代に入ったことを意味している」からだろう。若い時代には気にも留めなかった「心の養生」。天寿を全うするための鍵のようにも思える。



2016年6月19日日曜日

「グローバル化の副作用に負けないために」

 環境破壊の拡大、災害の頻発、国境の争い、経済の狂奔、医療費の高騰、社会保障の難しさ、政治の混迷と低俗化、殺人、テロの多発、貧困、飢餓の激増、格差問題、少子高齢化、あらゆる分野の二極化etc。世の中の騒々しさは、かつて経験したことのないほどに高まり、どこに解決の糸口があるのか誰一人として分からないほどに厄介になって来た。

 こうしたグローバル化(世界が一つの國になって行くこと)に伴う副作用がいよいよ日常的な現象として我々一人一人の生活に降りかかり実感として感じるほど身近になっている。集合離散、解体と創造、これまでの人類の歴史を眺めれば、こうなる運命もまた良く分かる。ただ、今後、この副作用がますます激しくなって行くことだけは間違いのないこと。少しでも穏やかな人生を望む者にとっては、まさに「厭なご時世」である。

 この流れの危険から身を守るための方法があるとすれば、心して、こうしたグローバル化のための潮流や構造から自分や家族の身を守るための努力をすることである。

 原発推進に反対であれば、自力で電気を賄い電力会社から電気を買わなくすることが最も効果的な反対運動だし、食糧危機や危ない食品が心配であれば、都会から脱出して畑や田んぼを手に入れ、自分で安全安心の野菜を栽培すればいい。1%の富裕層に搾取されて経済奴隷になることが嫌であれば、彼らがつくってコントロールしている今の経済的社会構造とその不公平なゲームから外れることが最善の方法である。

 どこか便利で快適だと願うココロがわずかでもある内は、政治でも経済でも医療でも食糧でも、きっと依存してしまうことになるし、結果、自らもその仕組みを増長させてしまうことになる。改革を願うなら、極力こうした他者への依存を止め、自立、自力の生活をすることだ。リスクを背負い身を切る実践が我々一人一人にもますます大きく問われて来る時代でもある。

 頭でそう思っていても、なかなか実践となるとそう簡単には出来ないものだが、例え小さな可能性であっても出来るところから一つ一つ積み重ねて行けば、やがてきっと、それが当たり前のことにも思えて来るようになる。自立生活。昔の人は誰もがやって居たことだ。一日一善。出来ることから努力して、他人、他者に極力依存しない生活を実現して、グローバル化社会をぜひ生き延びて行きたいものだ。
 

2016年4月29日金曜日

「津波てんでんこ」から学ぼう

 津波から命をどう守るかで有名になったのが「津波てんでんこ」だ。これは、史上、再三津波被害のあった岩手県大船渡市に古くから伝わる教えだが、東北大震災の体験から、いかにこれがあらゆる危機に際して現実的且つ適切なアドバイスであるかを改めて感じている。

 フクシマ第一原子力発電所から21キロ地点の山中にある我が家は、津波の被害にこそ会わなかったが、大量の放射能が降り注いで住めなくなってしまった。地震の直後にいち早く危険を察知して即日自主避難をしたが、今思えば、これは私達なりの「原発てんでんこ」であった。この行動のお陰でその後の連続爆発からも回避でき、家族をまったく被曝させずに済んだ。

 この言葉を世に広めたのが、大船渡市生まれの津波史学者故山下文男さんだ。一見これは、他者を顧みない自己中心の行動と思われがちだが、この効果を、京大の矢守克也教授は、「自助原則の強調」「他者避難の促進」「相互信頼の事前醸成」「生存者の自責感の低減」とまとめ、「正しく危機を生き残るための社会的意味」を持つものであることを指摘している。

 激動の世界では、あらゆる分野に命の危機が潜んでいる。食に関して言うなら、TPP(還太平洋経済連携協定)による食の自由化は、間違いなくこれまで以上に食の豊かさをもたらす反面、そこには必ず落とし穴が潜んでいる。

 いのちは食によって造られているのだから、食ほど直接命の危険につながるものはない。食に対する無知、無関心は、即刻命取りとなる。美食、飽食による文明病の激増がそれを見事に物語っている。ぜひそれぞれが食に対する感性と判断力を高め、命を守るための「食のてんでんこ」を実行していただきたい。