2010年2月9日火曜日

インド回想記(3)カレーの話


 ご存知インドはカレーの国である。最初に行った15年前は、行くところ、行くところ、毎食がカレーづくして、調子に乗って食べていたら、とうとう三日目に下痢をして偉い目にあったことを思い出す。そんな経験もあったので、今回は、用心をして、お粥やインスタント味噌汁等をいつもの旅以上にたっぷりと持参した。

 しかし、結果から言えば、この日本食はほとんと食べずに済むことになった。と言うのは、この15年間に、小生の食のサバイバル術も少しは向上したらしい。それと、今回は、カレーに対して、これまでにない発見や体験をして、大いに見直すこともあったからである。

 カレーは、食養の世界では、刺激物として、病人は元より、健康人も極力控えた方がいいと戒める。たしかに、己の力量を知らずに食べてしまうと偉い目に会うのはたしかである。インド人がその少々危険な香辛料を。半端でなく日々大量に食べ続けられるのは、勿論、長い歴史で身体が刺激物になじんでいるからではあるが、それとは別に、インドがそれだけ暑い国だからでもある。

 つまり、香辛料と言うものは、血管を広げ、毛穴を開き、余分な熱を体外に排出する働きがあるものだからだ。そのため、暑い地域では、外気によって体温がオーバーヒートを起さないように、香辛料を沢山摂って、余分な熱が体内こもらないようにしている訳である。

 ちなみに小生、知らずに一度青い唐辛子を青豆と勘違いして、思い切り噛んでしまって、ほぼ30分、口の中が大やけど状態となり、偉い目にあってしまった。こんな場合は、ヨーグルトを食べるいいらしいが、小生はベジタリアン。塩水をなめて問題を解決した。思い切って開ききった舌の細胞を、塩でちょっとばかり締めてやればいい訳である。辛くていい体験だった。

 このカレーの効力で、インド人は、男も女も、子どもも年寄りも、非常に顔立ちがはっきりとしている。取り立てて美人や色男でなくても、ほんとに、目鼻立ちがぱっちりとしてきれいで思わず見とれてしまうほどだ。日本にも美人が増えたとは言うが、そのきれいさとは次元が違う。それほどきれいなのだ。そして、何よりも姿勢が良い。かなりの年寄りでさえ、日本のように腰が曲がって姿勢が崩れている。なんてことがない。サリーの爽やかさと相まって、本当に、歩く姿がモデルさんと見間違うほどに皆見事にきれいなのである。来世はインドに生まれて来るのも悪くはない。などとたわけたことを密かに思ったりしている

 これは、明らかに香辛料のお陰であることが今回良く分かった。不祥、己の顔も、日に日に垢抜けして白くなり、身体のどこを触っても柔らかい。皮下脂肪がほんとに少なくなっているのである。そして、日本で食べている食べ物を食べるとじつに身体に重く感じる。いや、食べ物どころか、水でさえもずしんと重いのだ。

インドの食事は、カレーにチャパティー、そして、果物。そんなものがほとんどだ。塩味も薄くどれもが身体に軽ーいものばかり。インド人が、人あたりが柔らかく爽やかで、心身共に我や存在感を感じさせないのは、暑い気候と相まって、こうした軽い食べ物ばかりを食べているからだと言うことが、今回の旅でよくよくわかった。

カレーの効能を再発見し、そこそこにカレーも果物も存分に堪能しながら、下痢もせず無事に帰国した。そして、頭も身体も行く前よりずっと軽くなってもいる。小生が脳のチャクラを開きも少しスピリチャルになるには、もっともっと軽い食事にしなきゃならない。と気付いた次第。旅はいろいろなことを教えてもらえる。じつに、有り難いことである。

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