2010年2月25日木曜日

インド回想記(6)インドの先住民デリッー


 インドの最下層の人々のことをハリジャンと呼ぶ。この人々は、アンタッチャブル(不可触賤民)と言われ、触れたら寺でお清めを受けろと言われたほど忌み嫌われて来た人々である。

 インドには、この最下層に位置する人々が2億4千万人いるそうである。その人々を様々な分野で支援している<レッズ>と言う団体を訪ねた。

 リーダー夫妻は、そのカースト出身であった。彼の言葉によると、ハリジャンとは、<神の子>と言う意味で、インド解放の父ガンディーによって名づけられたと言う。

 その理由は、このカーストに属する人々は、かつて、牛馬同様の扱いを受けており、娘たちは寺に集められ、人々の慰み者となっていた。そこで、親の分からない子供が沢山産まれた。

ガンディーが、英国の占領からインドを解放した時、この子たちをどのように扱えば良いのか悩み、寺で生まれたこどもだから<神の子>としたそうである。

しかし、歴史学者の論からもインドの先住民であると認められている彼らにとって、この名は、侮辱以外の何物でもなかった。インド人にあまねく尊敬されているガンディーも、この人々の間でだけは、口にしたくない名前だそうである。

 自分たちこそが先住民であると誇りを持つリーダーは、彼らの精神性や文化に関する沢山の本を書いていた。とても興味深い内容だったので二冊ほど買った。

 普通のインド人の額の印はオレンジ色だが、彼らは藍色を塗る。それは、彼らの祖先が藍染に携わっていたことから来ているらしいが、同時に、それは海の青であり、宇宙の青でもあるとリーダーは胸を張って言った。そして、今では、市民権を得つつある彼らの誇り高いシンボルカラーでもある。他のカーストの若者たちの間ではファッションになりつつあるとも聞き、変わりつつあるインドのカースト制度の実態を知った。

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