2011年4月27日水曜日

自分で判断したい体内被曝のリスク

 空気や水、食べ物によって広範に、長期にわたり起こる体内被曝は、体外被曝よりずっと深刻な問題である。
 チェルノブイリでは、事故処理に従事した86万人中、5万5000人が14年間に死亡したと14周年の追悼式典で発表されたと言う。ソ連邦内での被爆者の総数は700万人以上で、その内100万人がガンで死亡したという衝撃的なリポートもあると言われている。
 この数値から見ても分かる通り、チェルノブイリの被害者は、その大半が体内被曝によるものと考えられる。
 数日前のテレビによると、高濃度に汚染されたベラルーシでは、安全な場所へ国民を移住させるための国家予算の15パーセントが計上できなくなり、今後は、汚染地帯に住み続けてもらうしかないと発表していた。
 25年経った今でも、被災者は汚染地帯に住まわされ、体内被曝を知りながら危険な食物を食べ続けなければならない二重、三重の苦難を背負わされている。当時の政府は、これらの危険性をまったく国民に知らせていなかった。
 メディアで度々目にする1ミリシーベルトと言う数字、これは、ICRP(国際放射線防護委員会)が一年間に許容できる被曝線量の基準として国際的に公表したものだが、この1ミリシーベルトは、決して安全な数値ではないことをはっきりと理解しておきたい。これは、確率的に1万人に一人はガンで死ぬと言う数字であり、体外被曝の許容線量であって、鼻や口から摂り込む体内被曝分についてはまったく計算に入れていない数値なのだ。
 一秒の何分の一にも満たないレントゲンやCTスキャンの被曝線量が、一時間外部から受け続けた場合の線量と同じ数値であるというまやかしにも、当然、騙されてはいけない。
 今後は、食物による複合的な体内被曝の状況が様々なところから報告されてくるはずだ。今日の福島原子力事故対策統合本部の記者会見では、体外被曝のリスクは、体外被曝の0.2%だと言っている。一方、リスクは2倍から3倍だと考えるべきだと言う専門家も居る。さて、皆さんはどちらがより正確な数字だと思われるだろうか?
 体内被曝の状況は一人一人がまったく異なる。あくまでも自己責任でそのリスクを把握しなければならない。他人任せでは絶対に駄目だ。赤ん坊や子どもを抱えている親には、正しい情報を的確に見つけ出す情報収集力と自己判断力が今こそ問われている。
 事故はまだ終ったわけではない。この瞬間にも、大気中へ、海へと高濃度の放射性物質は放出され続けている。まだまだ危険な状況が起こる可能性も残されている。まるで終ったかのような風評被害にだけは騙されてはいけない。宙八
 

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