2012年2月2日木曜日

[備えあれば憂い無し」

生活の場を失い、避難者になると言うことは本当に疲れることだ。どんな所でも、日常の拠点となる場があると言うことはじつに有り難い。ホームレスになると言うことは、精神的にも体力的にも相当のタフさが要求されることであることを実感している。

 年が明けても、依然あれこれの心配は続いている。4年以内に大地震が起こる確率70%がまさにその核心だ。その心配を裏付ける状況がたしかに続いている。思い起こせば、3.11の数ヶ月前もそうであったが、いつになく頻繁に地震が続いた。「やけにこの頃地震が多いなあ」が、その時のたしかな実感であった。

 「火のないところに煙は立たない」。頻発する地震、くじらの死骸があちこちに等々、こうした自然の異変に限らず、人間もまた動物である。多くの人の予感は、決して無視出来ない。ましてや、科学の時代である。様々なデータの裏付けもある。

 避難者の身で、ようやく心身の疲労が少しだけ取れて来たかなと感じているのに、またぞろ避難のことなど考えたくもない。しかし、災害はいつ再び起こるか分からない。昨年、運良く被曝せずに逃げられたのは、チェルノブイリでの体験からの学びを実行したからだった。

 地震、津波からの避難は、多くの人が、散々、メディアで学んだ。ぜひ、もう一度おさらいして置きたい。原発事故からの避難にも、即座の判断と行動が必要だ。これは、チェルノブイリからの教訓のままであった。原発事故では、放射性物質が飛んで来る風向きをしっかりとつかんで置くことだ。言うまでなく、避難の方向は風上だ。間違っても風下に逃げては行けない。また、逃げるための手段と逃げ道が重要だ。一つの逃げ道だけではなく、第二、第三の逃げ道も見当をつけて置きたい。

 もし、今度原発事故が起きたらば、多くの人の行動は相当に早いはずだ。パニックになった際にどう身を処するかもぜひ考えて置こう。特に、大都市圏に住む人は、車も、電車も、飛行機も当てにならなくなることが予想される。その時には、自転車で避難するのか?それとも徒歩か?大切な人との連絡方法は?すぐにつきつけられる問題である。携帯もつながらなくなる。

 事故が昼間であるとは限らない。懐中電灯、ローソク、マッチ、当座の食料、水、着替え、持ち出さなければならない貴重品などは、いつでも持ち出せるように準備して置きたい。車での避難が可能であれば、予備のガソリンタンクを一つ、今から積んで置くといい。3.11でも、ガソリンスタンドでの燃料補給がすぐに困難になった。タンクも買えなくなる。

 避難先のめどもつけて置きたい。避難したい方角、距離で、知り合いの家を再確認して置くといい。今から互いに連絡しあって置けたらなおさらにいい。原発事故は、全国どこでも起こりうることを考えると、避難先が国内だけで済まされるとは限らない。海外への脱出の必要性もあり得る。私は今でもパスポートを持参して動いている。パスポートがない人は、今から取っておくことだ。

 避難の方法は、それぞれの状況で大きく異なるだろう。しかし、とっさの際に必要となるモノや手段は似たりよったりだ。「備えあれば憂い無し」日常的に津波からの避難を学校で練習していた子どもたちは助かった例から考えても、準備して置くか置かないかが、災害からの生死を分つ。ブログを書くことさえ少々億劫になって居たこの頃だが、自分のための再確認と思って書いてみた。皆さんの参考になったら幸いだ。宙八