2014年5月7日水曜日

食と環境の大切さ

 日本最古のお寺と言われる奈良県飛鳥寺での二度目のセミナーが終わった。この明日香村との縁はもう3年になる。

 ここに来る度に、このゆったりと爽やかで落ち着いた山里の高原の雰囲気の良さに感動する。やはり、昔の人は、こうした落ち着く場所で身体や心が癒されることが分かっていて、こんな場所に都を造ったのだろう。

 それは、今も昔も変わらないことだ。いのちを変えるにはやはり、良い食事と緑一杯の自然環境が欠かせない。きれいな食事で身体をブラッシュアップし、気持ちの良い環境に浸るだけで偏った身体や心は驚くほど容易に改善される。

 しかし、知れば知るほど、現代ほど病んでいる人の多い時代も無い。原因は言うまでもなく、人が自然の心地良さや大切さを忘れ、あまりにも人工的な環境に身を置くようになってしまったからだ。そして、命は食によって造られ、養われているのだと言うあまりにも当たり前のことを忘れてしまったことにある。

 長年いのちと食、病気との因果関係を眺めて、つくづくと病気は有り難いものだと思う。病気とは、世間で言うように闘う敵などでは決してない。いのちの偏りを我々に教えてくれる、じつに有り難い危険信号なのだ。

 「病気とは、人間にとってより良い環境とは何かを知る為に存在する」とは、ギリシャの医聖であり、現代医学の父とも言われるヒポクラテスの言葉だが、まさにその通りである。現代に病気が蔓延している理由を、見事に一言で言い表している。

 これから病気はますますいろいろな原因が複雑に絡み合い、多様化して行くことだろう。しかし、少しでも自然な食事を心がけ、自然環境の中に身を置けば、不思議なほど容易に改善されるものでもある。ぜひ、実感していただきたい。