2014年6月13日金曜日

「戦争への道はダメ!絶対にダメ!」


 子どもの頃見たテレビドラマに「人間の条件」がある。毎週、戦争に向き合う主人公に自分の身を置いて、自分ならどんな決断と行動をするのだろうか?と、身震いし乍ら見ていた記憶がある。
 戦争の悲惨さを身をもって知る人間で、戦争をやりたいなどと思う人は居るはずがない。いや、そんな戦争体験者でなくても、ごく普通の想像力を持つ人間であれば、どんな理由があろうとも、戦争は絶対にやっては行けないことであることくらいは、当たり前に分かっているはずである。
 しかし、我が国では今、そんな、あって当たり前の想像力ですら多くの国民が失いつつあるように思える。他でもない国政の最高責任者である首相自らが、政権を担う政治家たちの先頭に立って、向かっては行けない戦争への道をやっきになってこじ開けようとしている。まったく信じられないことである。
 そんな彼らは、口先で言うこととはまったく反対に、エゴ丸出しの政治的野望と自己の利益だけで動いている。誰にも透けて見えていることだ。どんな立場の人間よりもリアリティを持たなければならないはずの政治家が、戦争に加担することのリアリティの無い言動を繰り返し、誤った道へ国民を誘導しようとしている。余りにも危険なことである。
 もし、百歩譲って彼らの主張を聞けと言うのであれば、彼ら自身がまず真っ先に、戦争の前線に立つ覚悟を持っているかどうかを聞きたい。そして、その前線の場に、他人の子や孫ではなく、自分の子や孫を立たせる覚悟を持っているかどうかも聞きたい。それをまず確約すべきだ。それが最低の条件である。
 その覚悟が無いのなら、戦争へ加担するような無謀な政策や言動は厳に慎むべきである。「国民の安全と平和を守るのが政治家の役割だ」などと心にもない言葉を吐くべきではない。
 戦争は、敵味方の関係なく、すべての人の人生、生命と生活と文化のすべてを破壊、消滅させる道である。戦争に勝利者は居ない。言うまでもないことだ。 そして、今こそ政治家は、本来の仕事の原点に立ち戻り、平和を築くための外交によって、戦争を阻止することにこそ命を賭けて努力すべきである。
 戦争は、どんな理由があろうとも絶対にしては行けないことだ。自己主張をしないことで知られる私たち日本人は、勇気を持って今こそ「戦争はダメ!絶対にダメ!」と声を上げる必要がある。当たり前の心を持った大人が、当たり前の声を上げる、それこそが、今、何よりも求められていることなのだと思う。