2016年10月26日水曜日

シルクロードを緑化しようという途方の無い夢

 福島の山奥での30年間の暮しを原発事故で断たれ、縁あって今年の春から京都の田舎暮らしが始まっている。
 食の世界に出会ってから43年になるが、最初の10年を過ぎた頃に、少々狭い食の世界をふと省みる機会があって、今では生涯の師であり年上の兄貴のような存在にもなった北谷勝秀氏との縁があり、一緒にNPOを創らせてもらった。
 以来、アジアの発展途上国を中心に数々の国を訪れる機会を得て、世界の様々な状況についても学ぶことができた。「人生は縁だよ」と言う北谷さんだが、国連を退職後の彼の座右の言葉は、「世のため人のために生きる」だ。
 そんな志の高い彼のそばにいながら、未だに「門前の小僧習わぬお経を覚える」ならぬ覚えずの小生だが、それでも、彼の真似事でいろいろなことに関る事が出来た幸せな縁だと今でもつくづく有り難く感じている。
 そのNPOの活動の一つが、まさに途方も無い夢である中国のシルクロードを緑化しようと言うことだった。そして、その夢の活動が20年に渡る活動の成果となってここ数年でようやく一つの形となった。
 国同士がどんな政治状況であろうとも、次代の人たち、世界の未来のためにやろう。と続けて来たのがこの緑化活動だった。この活動も、来年の3月で一通りの役割を終えて一区切りとなる。先般、8月の下旬に最後の視察、調査のツアーでやって来た植林の基地の状況を知らせる会員向けの電子ニュースレターがあるので添付する。関心のある方にはぜひ読んでいただきたい。











2016年10月22日土曜日

食と医療の危ない罠


 食の世界に出会った頃、自然食をやっていると言うと、ああ、自分だけ健康になればいいと思ってるんだ!などと言われた。それは暗に、旨いものが山ほどあるのに我慢して何になる、馬鹿な奴だ!と言う意味でもあった。
 しかし、時代は変わり人も社会もすっかり様変わりした。人や社会に対する手放しの性善説は通用しなくなり、世の中の食事や医療事情、真実に対して無知だと言う事は、自分や家族のいのちに対して無責任であり、このサバイバルの時代の中ではとてつもなく危ないことだ。
 あらゆる情報が飛び交う時代だからこそ、真実を見抜く目と的確な判断力が問われている。「時代を見誤った人間は淘汰される!」という歴史的事実を忘れては行けない。
 最近の食や医療の状況は余りにも危な過ぎる。資本主義、経済優先社会の中で、モノ、カネへと狂躁、狂奔する姿は、想像をはるかに超えて危険である。起きてはならない悲劇が次々と生み出されている。まずは知る事から始めたい、そして、自らの頭と心でそれをどう判断するかを共に考えよう!

第三回 11月6日(日)
〜あらゆるところに潜む現代社会の落とし穴〜
「いのちを取り巻く食と医療の危ない現状」

経済優先の現代社会では、様々な分野で命を危険にさらす落とし穴が潜んでいます。消費社会が構造的に持つこうした罠を知らずにいることは、最早、たんに無知ですませられることではありません。生活や人生を破滅に追いやり、自分や家族を直接死の危険にさらすことにもつながります。真実を見抜く眼と確かな判断力を持って生きることが、時代の激流に飲み込まれずに生き残る、サバイバルの条件となる時代なのです。


と き:11月6日(日)
ところ:ベジ&カフェレストラン「TOSCA」(京大農学部バス停横)
    〒606−8224 京都市左京区北白川追分町67−7
参加費:3000円(飲み物、茶菓子付き)
問い合わせ・申し込み:「TOSCA」電話:075−7221−7779
           HP:www.tosca-kyoto.com





 

2016年10月8日土曜日

ノーベル賞「オートファジー」に期待する

 10月3日、今年のノーベル医学生理学賞を、東京工業大学の大隈良典栄誉教授が受賞。これで、日本人のノーベル賞受賞者は25人目だそうである。生命の時代に入り、東洋人の、それも日本人の研究者によって生命が持つ新たな素晴らしい機能が発見されて、それが世界的に認められたことになる。
 この「オートファジー」は、細胞が飢餓状態に置かれた時に、自らの細胞を分解、細胞を維持するためのタンパク質やアミノ酸と言った栄養素を再生し、再利用する「自食作用」と言われている。
 細胞が、自分自身の一部を分解し栄養源としてリサイクルしたり、新陳代謝したりする仕組みを明らかにしたことであり、あらゆる生物に共通の根源的な生命現象の謎を解いた画期的な発見とも言われている。
 今課題の地球環境の破壊や汚れの解決には、人間自らが修復、リサイクルを行わなければならないが、私たちの生命には、それを自然に行ってくれる「オート(自動)ファジー(分解)」と言う素晴らしいリサイクルシステムが存在していたということなのだ。
 じつは、これまで私が長年研究、実践して来た「半断食」による心身改善法は、まさに、このオートファジーの効果を食事によって意識的に身体の中に起こすことで、異常となった細胞やバランスを失った生体の機能を回復、改善させ、全身の細胞をリセットさせることでもある。
 そんな機能が確実に存在することを、これまで多くの参加者の生命の中に見ていて、自分なりの言葉で語り続けて来たが、それが今、こうして科学によって万人に説明がつくように解明されたのだからとても有り難いことである。
 この発見は、今後、いのちの課題をあまりにも大きく人間の知識や技術にのみ偏りつつある医学界にとっても、改めて、病気を治すためには基本的に、人間が本来生命の中に持つ自然治癒力の機能や生命力を利用することが重要であり、必要不可欠であることを再認識させることへ繫がるに違いない。このノーベル賞が、その大きな後押しになることを心から期待したい。